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秘書の“気を使う”は本当に正しい? 信頼をつくる逆の発想

秘書の仕事は、気配りや心配りが基本。
そのため、私たちは「気を使う」ことを大切にしてきました。

でも最近、あるクライアントからの言葉にハッとさせられました。
「多くの秘書さんがやっている“気を使う”行為は、実は逆効果になっていることがある」と。

どういうことかというと——
尊敬の気持ちは絶対に忘れてはいけません。
けれども、いつまでも“外注さん”のように距離を置いて、変に謙虚なまま接していては、相手と“同じ温度”で関わることはできない。
そうなると、信頼ではなく「一線を引かれた存在」として見られてしまうのです。

では、どうすればいいのか?
答えはシンプルで、「機械的な関係」ではなく「仲間的な関係」を築くこと。
ミスをしたときに指摘されるのではなく、冗談交じりにいじられるくらいの関係性を作れたら、それは一人前。秘書として“最強”の立ち位置に近づいている証拠だと思います。

気を使うだけでは、相手との温度差は埋まりません。
大切なのは、相手に敬意を持ちながらも、同じチームの一員として同じ目線に立つこと。
それができると、秘書という仕事は「ただ支える」存在から、「共に成果をつくる」存在へと変わっていくのだと思います。

そして最後に、大切なことを一つ。
完璧さを追い求めるだけなら、いずれAIに置き換えられてしまう。
「完璧な時代はもうすぐそこにある」からこそ、秘書は人にしかできない“温度”と“関係性”を築くべきなのです。
AIでは生み出せない信頼や安心感を形にできるのが、私たち秘書の価値。
だからこそ、自らAIに代替されるような仕事の仕方は選ばないでください。